キリスト教学校教育バックナンバー
関東地区
第4回学校公開授業研修会
捜信学院で開催
敷島 洋一
六月二十二日(金)第四回関東地区学校公開授業研修会が捜真女学校中学部・高等学部を会場として開催された。
捜真学院は横浜市神奈川区の高台にある昨年百二十周年を迎えた中高一貫教育の女学校である。午前九時の開会礼拝に始まり午後三時三十分の全体会まで大変充実したプログラムであり、関東地区の十五校から九十名という多数の参加者で盛況な会となった。以下手元のメモにしたがって当日の様子をご紹介したい。
開会礼拝で学院長の飯島節子先生のお話。全体会で理事長の小玉敏子先生のお話。捜真の教育、建学の精神、歴史が生きた言葉で語られる。これを語らねばと話に力と熱意がある。感銘を受ける。背筋が伸びる思いである。
高等部生徒とともに礼拝に参加。高い天井の立派な礼拝堂。生徒たちが整然と座ってピリッとした空気が張り詰めている。礼拝堂の正面にすえられたパイプオルガンに目を引き付けられる。横山茂部長のお言葉通り捜真の自慢に値する立派なもの。オルガンが礼拝と共に育ったことを思い起こさせるような印象である。宗教主任の黒澤裕子先生による周到に用意された奨励。このレベルの礼拝を受けている生徒がうらやましい。礼拝が捜真女学校の教育の原点であり、教育の中心に置かれているという言葉が本当によく分かる礼拝であった。
三、四時間目が公開授業である。中学一年から高校三年まですべての授業を見学することができる。生徒たちがおはようございますと挨拶をしてくれる。授業は自然体。チャイムの音がごく小さい。これで授業が始まるの?始められるの?という気がするが、気が付くと授業は始まっている。一コマ五十分である。熱心にノートをとる子、手を上げて質問する子、注意を受ける子さまざまだが、生徒と先生たちの近さ。気楽さというのではない親しさ。いや、安心感というべき。生徒たちはいかにも自然。肩の力が抜けてファミリーのような空気である。教壇が無いこともその理由のひとつだろうか。統一感より自然さ、さりげない品のよさを感じた。
英語を中心に見学したが、少人数制でありレベルの高いものであった。しっかり系統立てられたシラバスが作られていると思われる、この授業を受けていれば効率よく学力がつくだろうという印象であった。
昼食をはさんで校舎見学。外は雨となり校舎内の見学となったが、弊校の学校説明会にも大変参考になる懇切丁寧なものであった。
その後、千葉ホールに戻り全体会。捜真女学校の紹介。キリスト教教育とSoshin Englishという英語教育について解説、質疑応答があった。開会の飯島先生、小玉先生のお話と合わせて、この学校の歴史、伝統の厚みをよく理解する事ができた。
全体会の後、最後に懇親会があった。私は別室で教員後継者養成プロジェクトが支援する学生たちとの交流会に参加したが、質疑応答も盛んで、彼らもキリスト教学校に対する親しみと理解を深めることができたのではないだろうか。
会場校として捜真の教職員の方々には準備から当日までさぞ大変なことであったと思うが、このように新たな研鑽の場を与えてくださった事を心から感謝する一日であった。
〈青山学院中等部教諭〉
キリスト教学校教育 2007年9月号4面