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新たな時代におけるキリスト教学校の使命と連帯-いのちの輝きと平和を求めて-

一般社団法人キリスト教学校教育同盟 Association of Christian Schools in Japan Since 1910

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キリスト教学校教育バックナンバー

第50回大学部会研究集会
まとめ
アメリカン・ボードの足跡を訪ねて
京都とボストンを歩く

志村 真

 第五十回大学部会研究集会は、「幅広く深く学ぼうキリスト教学校の意味―アメリカン・ボードの足跡を訪ねて―」との主題を得て、九月五日~六日、京都ガーデンパレスを会場に開催されました。出席者は三十五教育機関から五十七名。今回は、いわば前年の「人をはぐくむキリスト教学校―横浜バンドに学ぶ―」に引き続きの主題設定で、キリスト教主義教育の原点に返って、そこから今日の課題を見つめようとの趣旨であったと思います。

 当初、講師の一人として、同志社大学名誉教授の竹中正夫先生が「アメリカン・ボードと日本―その働きと精神―」と題して話される予定でしたが、先生が八月十七日に急逝されたことで、それはかないませんでした。ご遺族、ご関係の方々に主の慰めを祈ると共に、先生が残された業績にそれぞれが改めて学ぶことを課題としたいと思います。

 さて一日目は、神戸女学院大学の飯謙さんの司会・奨励による開会礼拝をもって始められ、同盟教研担当理事の倉本功さん、関西地区代表理事の野本真也さんのあいさつの後、研修に入りました。

 まず講演・質疑応答Ⅰでは、同志社大学名誉教授の北垣宗治さんが「アメリカン・ボードと日本―その働きと精神」と題してご講演。北垣先生は、一八一〇年のアメリカン・ボード(以後AB)設立以降の歴史と、一八六九年に開始された日本伝道の草創期について詳述されました。その中で、新島襄のみならず、全国で展開されたABの諸宣教活動についての全体像を提示くださったと思います。また、日本伝道の時期とAB内の宣教論の移行期とが重なったことで、わが国での宣教が直接伝道だけでなく、教育、医療、福祉の分野に広がったとの指摘は、今日の宣教理解の「幅」の問題につながるとの感想を持ちました。

 休憩、夕食を挟んでの講演・質疑応答Ⅱでは、同志社大学神学部の本井康博さんが「ボストンから見た京都ステーション―アメリカン・ボードと同志社」と題してご講演。本井先生は、日本からではなくボストンから見るという新鮮な視点から、新島襄の生涯とABの歴史、そして同志社(英学校、女学校)の歴史を詳述してくださいました。特に興味深かったのは、AB設立の三学校(神戸女学院、梅花学園、同志社)が宣教師主導か日本人主導かをめぐって、三つの類型に分けられ、その中で「古都」京都ゆえに、同志社では日米協力型であることが不可欠であったという分析です。置かれた場所と時代によって、もっとも適した宣教姿勢を協働して作り上げたところに同志社の特質があると、報告者は受け止めました。

 二日目は、前日の二講演を受けて、質疑とディスカッションを深めるために全体会を行いましたが、紙幅の関係で、講演に対する質疑応答と全体会での討議を紹介することができません。お許しいただきたいと思います。

 記念すべき第五十回の研究集会は、実りある学びと交流を得て、大阪女学院大学の梶原直美さんの司会・奨励による閉会礼拝をもって閉会しました。開会・閉会両礼拝のオルガン奉仕を同志社の中山幾美子さんがしてくださいました。

〈中部学院大学短期大学部宗教主事〉

キリスト教学校教育 2006年12月号2~3面