キリスト教学校教育バックナンバー
内村公春九州学院学院長挨拶
内村 公春
キリスト教学校教育同盟の第九十四回総会を、この九州学院で開催させていただきますことを、光栄に思いますとともに、心より感謝致します。
この九州学院は、今から九十五年前、南部一致ルーテル教会の宣教師チャールズ・L・ブラウンの熱心な思い、そしてそれに賛同した当時の第五高等学校(現在の熊本大学)の英語科主任教授であった遠山参良によって創設されました。他のキリスト教諸派より遅く日本伝道をはじめたルーテル教会は、一番保守的といわれた佐賀、そして当時は九州の中心都市でもあった、この熊本の地を選んだのです。
こうして一九一〇(明治四十三)年の一月十九日設立の認可を受け、牧師を養成する神学部と日本人信徒を養育していくことを目的とした中学校を持ったキリスト教学校が創設されました。
このうちの神学部は、後に東京に移転し、現在のルーテル神学校そしてルーテル学院大学となっています。
戦争中は他の学校と同じく弾圧を受け、九州中学校という校名変更なども行っておりますが、戦争中であっても、礼拝と英語の授業は続けられたと聞いております。
戦後、校名も再び九州学院に戻し、また宣教師によって始められた幼稚園も一九五四年に九州学院に移管し、幼稚園・中学校・高校という現在の九州学院となっていったのです。また一九九一(平成三)年の創立八〇周年を機に、共学化へ踏み切りました。現在、幼稚園が七十名、中学校三百二十六名、高校千十五名、総計千三百四十一名の小さな学校です。
ご存知の方もいらっしゃいますが、伝統的に運動部が強く、毎年何かの種目で全国優勝を遂げております。
この二日間、全職員あげてこの総会のお手伝いをいたしますが、いろいろ行き届かない点もあろうかと思います。その点は、どうかお許しください。
この総会が充実したものとなりますことをお祈りし、会場校の挨拶とさせていただきます。
〈九州学院学院長〉
キリスト教学校教育 2006年7月号1面