キリスト教学校教育バックナンバー
キリスト教学校教育同盟百年史
協議事項と今後の課題
高瀬 幸恵
九月十六日・十七日に開催された『百年史』編纂委員会では、本格的な執筆・編集作業に取り掛かるため、通史編・資料編の第一回編集委員会が会期中に開かれ、詳細な協議を行った。それぞれの協議事項は以下の通りである。
〈通史編編集委員会〉①通史として一貫性のある叙述にする。②時期区分は、一九一〇~一九三〇年、一九三一~一九四五年、一九四六~一九七〇年、一九七一年以降の四期とする。③各期につき四百字詰め原稿用紙四百枚程度とする。④各期に執筆担当者を複数置き、共同研究の形で進める。各期にコーディネーターを置く。⑤事項・人名索引をつける。索引担当のチーフを各期に置く。⑥最終的な編集作業の段階で、全体の統一を図るため専従のチーフエディターを置く。⑦二〇〇六年三月までに担当箇所の目次案を各担当者が作成し提出する。その案を基に、同年九月に章立て・叙述項目・内容について全体的な検討を行う。⑧二〇〇七年~二〇〇八年度にかけて執筆、二〇〇九年度まで全体の統一を図るための編集作業を行う。⑨二〇一〇年度内の刊行を目指す、等。
〈資料編編集委員会〉①通史編の補完ではなく独自で歴史を語る資料編を目指す。②資料編は研究者・マスコミをターゲットとする。③内容は、定款・規定、加盟校の推移、組織・役員関係、総会関係、歴代理事長などの挨拶・意見、対外的な意見書・要望・提言、学校・教育調査、講習会・各種委員会関係、刊行物一覧、財政関係、関連諸団体、年表を盛り込むという榑松案を基礎とする。④資料収集は作業委員会が行い、資料の取捨選択については顧問も加わる、等。顧問よりの新たな提案として、法令など関連資料を加える(教育勅語、訓令第十二号など)、刊行物一覧に加盟校の年史を加える、同盟が保管している資料目録を加える、等。
こうした各編集委員会の活動に加え、これまで編集方針等の検討を行ってきた作業委員会(榑松作業委員長、大西委員、大森委員)も、各編集委員会に資料提供を行うなど引き続き実務的な作業を行っていく。
二日間に渡って行われた今回の委員会では、大西委員長、榑松委員らによる具体的な提案を受けて、非常に活発な議論が交わされた。久世理事長および顧問からも深い識見に基づいた貴重な意見が多く出され、『百年史』刊行に向けて大きく前進することが出来た。委員会の終盤には山内前理事長より、同盟百年史を作る上で教会と学校の関係という視点は重要であり、この関係について今後のヴィジョンが見えるものを期待する、という重要な提案がなされた。
今回の委員会で残された課題は、刊行の仕方や体裁、部数などの問題である。出版社を介して販売するという案や、その際、配布用にハードカバー版を、販売用にソフトカバー版を作成するという案も出された。発行部数についても今後検討が必要だ。
〈桜美林大学大学院研究生、『百年史』研究員〉
キリスト教学校教育 2005年11月号2面