キリスト教学校教育バックナンバー
夏期研究集会に参加して
踏み出す勇気
戸田 葉子
今回、初めて夏期研究集会に参加させていただき、多くの実りと豊かな学びの時が与えられた。多くのキリスト教主義学校が存在する中、学校が抱える様々な課題、それに向けての改善策を話し合えたことは貴重な経験であった。
今回の主題「人をはぐくむキリスト教学校」は、私達に現代教育の弊害を気付かせ、立ち返るべき教育の原点を投げかけるタイムリーな主題であったように思う。キリスト教学校を取り巻く環境は年々厳しさを増す傾向にある。少子化は学校の存亡を賭けた生き残り競争にまで発展している。結果だけを強制する教育により、子供たちは厳しい中で萎縮していく。こんな時代だからこそキリスト教に基づいた建学の精神、理念に於いて職員が一致団結する大切さを知ったように思う。しかし混迷極まる教育体制の中、一体現場にいる私達に何ができるのか。
榎本先生の実体験に基づくお話は、参加する一人一人にも共通問題として問われているようにも感じられた。親子間の愛情の欠如、受験戦争へと染まる教育現場、子供の心が置き去りにされる厳しい社会の中、教育の行き詰まりを感じずにはいられない。そんな中にあって生徒への愛情、子供の成長を見守る教育者としての先生の姿に心を打たれた。
混沌とした教育現場の中、信念を貫く先には一筋の光があり、キリスト教に基づく教育に明るい未来を確信した思いであった。
〈頌栄女子学院中学校高等学校教諭〉
キリスト教学校教育 2005年10月号3面