キリスト教学校教育バックナンバー
夏期研究集会に参加して
「校風」は皆でつくり上げられていくもの
天野 海走
猛暑のなか、御殿場のさわやかな気候のなかで三日間の豊かな学びのときが与えられましたことを心から感謝します。昨年に続き二度目の参加となりますが、今年も実りある集会に参加させていただいたと感じています。「人をはぐくむキリスト教学校―建学の精神を共に担う」と題された研究集会でしたが、様々なプログラムを通してキリスト教学校で働く上で、もう一度大切なことを確認させられ、また新しい気付きを与えられる三日間でありました。
主題講演から、「およそ、よい学校とは、・・・一言で言えば、『良い校風』の学校のことである。」との深谷先生には深い共感を与えられました。「良い学校とは良い校風の学校である」ということはごく当たり前のことではあるけれども、それを創り上げてゆくことは簡単なことではないと感じています。学校内のベクトルが様々な方向へ向かう中で、学校全体が建学の精神、理念において一致することの重要性を確認させられました。
明治学院の小暮先生の発題からは、同じ高校というグレードで実践されているボランティア活動について学ばせて頂きました。先生の発表から、生徒が自ら課題を見つけて、生き生きと活動に取り組んでいる様子が伝わってきました。生徒がその学校の校風をつくり出しているのだと思わされるものでした。
自由学園の矢野先生の発題から、自由学園の独特の教育を教えていただきました。「生活即教育」という学園の理念から、教科教育等だけでなく生活を通して人間的な成長を促すことの大切さを教えていただきました。
福岡女学院の中川先生の発題は、礼拝を担当する者として反省をさせられるものでした。礼拝のなかで「『生』に裏付けられた言葉」を語るということの大切さを強く感じさせられました。
三日間の集会を通して、「校風」は学校に関わる者、皆でつくり上げられていくものだと感じさせられました。学校全体が建学の精神において一致し、み言葉が生活の中から語られ、生き生きと礼拝が献げられ、み言葉が生活の中へと息づいていく、そのような中でよい校風がつくられていくのだと感じました。よい研修のときをありがとうございました。
〈東奥義塾高校宗教主事〉
キリスト教学校教育 2004年9月号4面