キリスト教学校教育バックナンバー
九州学院中学校新校舎竣工
建物・教師・生徒の一体感
池永 清
九州学院は、アメリカ南部一致ルーテル教会宣教師チャールズ・L・ブラウン博士により一九一〇年に設立され、一九一一年を創立の年と定めています。校訓は「敬天愛人」で、本校では知育・徳育・体育の上に霊育を施し、「役に立つ善人」を育成することを創立以来の教育方針と定めており、キリスト教教育に基づく全人格教育、国際社会を生きぬく人間の育成を、特色あるカリキュラムをもとに推進しています。
本校は高校・中学・幼稚園教育を行っていますが、二〇〇一年に創立九十周年を迎え、その記念事業として中学校校舎の新築工事を計画しました。中学校は定員三百名(学年百名)で各学年三クラス体制をとっていますが、この事業はこれまでの中学校教育をさらに充実するために行ったものです。二〇〇三年一月二十三日に起工式を行い、二〇〇三年八月二十九日に竣工し、高機能の設備を備えた、次世代型ともいえる斬新なデザインの建物が完成しました。また九月十三日には多数のご来賓(県私学文書課、県私学協会、同窓会の代表等)を迎え竣工落成式を執り行いました。
建物は建築面積約千六百平方メートル、延べ床面積三千五百平方メートルの地上三階建ての鉄骨造りで、一階中央部に小体育館があり、三階まで吹く抜けとなっています。その吹き抜けをコの字型に囲む型で各階に教室を配置しています。(普通教室九室、特別教室四室、職員室三室等)全室にはインターネット対応が可能なLAN配線を施し、調べ学習のための図書室件情報室も設備しました。なおバリアフリーとしての車椅子専用エレベーター、障害者用のトイレ等も完備し、機能面でもすぐれた造りとなっています。
また建物はデザイン・構造的にも建物外部、内部ともにガラスを多用した、ユニークな造りとなっています。建物内部は明るいやさしい採光をとりいれ、見通しがよく、建物・教師・生徒が全体として一体感を得られる教育環境を造り上げています。
設計・管理は(株)葉デザイン事務所(代表取締役社長・葉祥栄氏)、施工は(株)松井建設が行いました。葉祥栄氏は慶応義塾大学大学院教授をされていますが、世界的な建築家で九州学院の卒業生でもあります。
キリスト教学校教育同盟の皆様方におかれましても、機会がありましたらぜひ見学をいただきますよう、この場を借りてご案内申し上げます。またこの事業が、多くの卒業生・関係者の皆様のお支えで成功しましたことを、感謝をもってご報告いたします。
〈九州学院事務長〉
キリスト教学校教育 2004年1月号4面