キリスト教学校教育バックナンバー
船本弘毅教研担当理事あいさつ
船本 弘毅
第73回夏期研究集会を開きます。全国の加盟校から御参加下さったことを心から感謝申し上げます。この研究集会は、キリスト教学校教育同盟の諸集会の中でも、最も古い歴史をもっており、この研究集会が教育同盟の精神的支柱となり、教育同盟に生命と力とを与えてきたとわたしは思っています。ですから今年もこの会が充実したものとなることを願って止みません。
この研究集会に先立って第47回事務職員夏期学校が開かれていました。「わたしたちの学校がめざすもの」を主題に、百名余りが出席して、内容豊かな会を先程終えることができました。
実は、その会の更に前に、わたしは天城学長会議に出席していました。国立・公立・私立の学長60人が相集い「高等教育の更なる充実を目指して」を主題に、独立法人化と第三者評価が義務づけられたことを背景に「評価」をめぐって、白熱した論議が展開されました。前回初めて参加した時には、国・公・私が共に集まることに意味を見出したのですが、今回はむしろ国・公・私の置かれている状況・視点の違いを改めて認識させられる思いが強くいたしました。
大胆な言い方をすれば、国家の教育責任に基づいて設置される国立大学は、「存在すること自体に意義がある」と言えるでしょう。しかし私学は、特にキリスト教学校は、「意義ある教育を行うことによって存在の意味がある」ということができるのではないでしょうか。すなわち、建学の精神を明確に堅持し、この時代に生かすことなしには存在そのものが問われるということになります。
多くの困難な現実が、わたしたちの前に横たわっています。しかしただ如何に生き残るかといった方法論に留まらず、それらの問題が切実な重要問題であることを充分に認識しつつ、さらにわたしたちの働くキリスト教学校の使命と意義を共に深く考える3日間でありたいと願っています。「共に重荷を担う―希望への教育―」という主題をめぐって良き討議がなされ、共に希望を見出す会でありたいと心から願っています。
御奉仕下さる先生方、御準備下さった先生方、同盟のスタッフの皆様に感謝申し上げます。
〈東洋英和女学院院長・学長、教育同盟教研理事〉
キリスト教学校教育 2003年9月号1面