キリスト教学校教育バックナンバー
アンケート回答:問7
特集 : クリスチャン・コードは今どうなっているか
加盟校アンケート集計
問7 クリスチャン・コードに関して、ご意見・お考え等を自由にお書きください(この項は出来ますれば責任者の方にお願いします)。
▽青山学院
クリスチャン・コードは少なくとも経営の責任者である理事長と教学の責任者に必要と考える。そうでないとその学校は、必ず世俗化しキリスト教学校としての特質を失うことになるからである。特に、小、中、高校の責任者につけるべきである。教職員の採用にあたり、公募のときもクリスチャン又はキリスト教信仰を理解することを大切にして選考にあたっている。(院長 深町正信)
▽梅花学園
本学園のクリスチャン・コードが、「学園長」のみに限られていることは良くない。少なくとも、学長・校長・園長も可能な限り、クリスチャン又はキリスト教に対して理解を深め、積極的に協力する姿勢をもっている人を推すべき。(学園長 森脇忠雄)
▽梅光学院
学院長、学長は、学院のキリスト教に基づいた建学の精神を継承していく重責があるため、クリスチャン・コードは必要。理事・監事の役員は、外部評価を加えることが必要なので、学識経験者を2名までノンクリスチャンでも可。(宗教主任 樋口紀子)
▽鎮西学院
本学院の理事会におけるクリスチャン・コードは、伝統的に他のキリスト教主義学校よりもゆるいものであった。その理由は恐らく、学内外にクリスチャンが少なかったということであろうが、建学の精神の維持ということでは、ほとんど影響がなかったと言える。それはひとえに各部署で責任をもたされた者の信仰と教育に対する姿勢に対して、すべての者が理解と協力を惜しまなかったことに基づいていると思う。今後益々クリスチャン教師の減少も進み、理事会構成にもその人材が得がたくなる状況も予想されるが、今まで最低限守ってきたクリスチャン・コードを維持して建学の精神を守って行く努力がなされるべきであると考える。 (院長 杉原宏一)
▽フェリス女学院
理事・監事・評議員を除くと、採用時の条件を課して実施しているにもかかわらず大学教員、事務職員の「キリスト者」の割合が少ない。キリスト教主義学校として今後も継続していくなかでこの問題は大きい。特に学校経営を考えるときこのことは真剣に考えたい。(事務局長 黒澤淳雄)
▽福岡女学院
本学院のクリスチャン・コードでは、理事・監事、院長、各学校長及び事務局長は全て福音主義キリスト教会員であることが選任の条件である。大学の学部長についても従来は同様の条件であったが、昨年の理事会で相当時間をかけ以下のように改正した。「学部長に選任されるものは、キリスト者であることを原則とする。但し適任者を得難い場合は、下記の原則を学院の教育の中で誠実に尊重し、遂行する者をあてることができる。」(以下略)つまりカトリックの教会員も学院の教育方針を充分理解し賛同する者もその対象となったのである。キリスト者である教職員がその組織の中で日常どのような働きをしているのか、又諸教会との日常的な関係がどのようであるのか、コードの問題はこれらの事がキリスト者に鋭く問いかけられている。(事務局長 志満秀武)
▽普連土学園
クリスチャンというだけでは学校の運営は難しい。むしろ建学の精神をはっきりさせてその精神に賛同し、体現していく人材を求めるようにしなければいけないのではないか。私の属しているフレンド派(キリスト友会)の現状に鑑みれば尚更のことである。(理事・事務長 大津光男)
▽岐阜済美学院
(1)本学院の理事・校長は、1947年教育同盟加盟時には全員がクリスチャンであった。その後適任者を得ることが困難となり、学長、校長等を兼務としてきたが、1956年に、校長について「信者又はキリスト教理解者」に、理事について「理事総数の過半数は信者」に改め、今日に至っている。(2)クリスチャン人口の少ない地方の学校では、クリスチャンにその適任者を全員に求めることは容易ではない。今求められているのは、1.人格が高潔で学校運営に見識を持ち、2.建学の精神の具現化、3.学校への愛情を持ち、4.経営責任を共に担う気概のある人材である。(学院長 今村允男)
▽平和学園
現在、理事・評議員、管理職に、比較的キリスト者を求めることができるのは、役職者の年齢が高いからである。次世代にクリスチャン・コードを維持できるか、それは現在の教会員の年齢層から考えてみると、深刻な課題になる。キリスト教学校教育同盟に願うことは、時代に沿った経営や教育のさまざまな研修もなお必要ではあるが、自前でキリスト者教師を育て上げようとする気風、気構えが、あらゆる機会にあって欲しい。アンケート前文に述べられている通り、「自分たちの学校(同盟加盟校と解したい)のミッションを再検討」することは急を要する。需要は供給を引き出す。教師養成も教会の責務であると要請したい。(学園長 夏村 充)
▽日ノ本学園
キリスト教学校としては大切な問題であり、大変むずかしい問題でもあると承知している。建学の精神からすれば、教職員の中にひとりでも多くのクリスチャンが増えるような施策を考えている。(理事長 富士原 進)
▽広島女学院
キリスト教以外の多くの他宗教に囲まれている現代日本で、キリスト教のアイデンティティをしっかりと保持していくことは大層困難である。特にその母体となるべきキリスト教会が相対的に弱体化し、またキリスト教会の中にも宗教多元論の主張が強まっている今日、その困難さは一層高まってきている。このような日本で、キリスト教学校であり続けるためには、理事会がよほどしっかりとした考えを持っておらねばならない。理事会の考えを学校内に反映させるために、各校の長たる責任者はキリスト者であることが必要である。 (院長 西垣二一)
▽広島三育学院
セブンスデー・アドベンチスト教団は、教会などの直接伝道に加えて系列の三育教育グループ(学校)、病院、福祉施設、食品製造などの間接伝道機関もある。三育系列校はセブンスデー・アドベンチスト教会員が教職員として勤務しており、キリスト教教育は難しい問題でなく、労組なしで信仰による協力体制、目的の一致がありmission statementに沿って学校を運営している。教会出席、聖書クラスの徹底に力を尽くしている。学校の教職員は三育卒業生で占めているので、キリスト者100%の学校を今後も維持できると思う。生徒も教職員家族も生活の場をともにするキリスト教コミュニティを形成している。(学院長 曾根田健二)
▽北陸学院
学院の歴史と伝統の主体はキリスト教にある。故に学校の教育指導運営の、枢要の立場にある人材は極力クリスチャンによって担われるように配慮しなければならない。単に名のみのクリスチャンでは無力で、教会生活とのつながりの中でつねに豊かなキリスト者性が形成されねばならない。(学院長 井上良彦)
▽北星学園
本学園の寄付行為において、理事の条件として、「福音主義キリスト教会の会員であること」とさだめ、クリスチャン・コードを堅持する立場をとっている。今後も基本的にこのことを継続することが望ましいと考える。しかし、少子化が進むことによる学校経営の競争激化を乗り越える経営の専門性、学園、特に高等教育における高度な教育戦略構築等を考えるとき、クリスチャンの減少の傾向も相俟って適任者が得がたいことも予想され、これらをどのように克服していくかが今後の課題である。(理事長 杉本 拓)
▽茨城キリスト教学園
クリスチャン・コードが「原則として」キリスト教の信仰者となっていて、教職員の採用に当たって、実力面での力量を重視せざるを得ず、長年の積み重ねとしてキリスト者の割合は低下して来ている。キリスト教学校の理念を守るという観点から大きな問題である。ゆくゆくは、採用者の一定割合をキリスト者とするなどの施策が必要と考えている。 (理事長 廣瀬 正)
▽女子学院
キリスト教学校に何らかの形でクリスチャン・コードがあるのは当然である。特に学校運営・経営に直接責任を負う役員、とりわけ理事長・院長・学長・校長等がキリスト者であることは非常に大切である。また現場で学校を支える教職員の中にも一定数のキリスト者がいることが望ましい。ただ問題は、日本の様な非キリスト教国において、キリスト者の絶対数が少ないことである。キリスト者が即、良き管理者やリーダーになれる訳ではないので、それができるだけ合致するように、良き人材を育成することがキリスト教学校の使命でもある。(院長 田中弘志)
▽関西学院
本学の「寄付行為」で「院長はキリスト教主義に基づく教育を推進するに当り、関西学院を統理する」と規定している。問題はその機能を遂行するための仕組みが十分整備されていないことである。今後はクリスチャン・コードの問題を含むキリスト教主義教育の内実化を図る最高意思決定機関としての理事会に、院長を中心に学長、中高部長他から成る中枢部会を設置し、「建学の精神」に係わる基幹条項を絶えず検討し審議する体制を明確にすべきだと考える。(理事長・院長 山内一郎)
▽啓明学園
クリスチャン・コードを決めると本来の役職に必ずしも適任とはいかず、学校経営・運営に影響を与える可能性がある。大前提には、そのポジションにふさわしい能力と資質が優先されることで、さらにクリスチャンであればより好ましいと思う。(学園長 平野吉三)
▽啓明女学院
「クリスチャン・コード」などと明文化していないが大前提としている。現に、本校史上ノンクリスチャンの院長は存在していない。(学院宗教主任小嵜智通)
▽恵泉女学園
現在、教職員の採用にあたり、クリスチャン・コードを厳守することは困難になっている。(法人本部事務局長付 高橋 巌)
▽敬和学園
キリスト教学校は、クリスチャン・コードを廃してはならない。キリスト教学校は、「草の根をかきわけても」クリスチャンの教職員確保をめざして努力すべきである。(大学長 北垣宗治)
▽金城学院
このクリスチャン・コードは、キリスト教学校の使命との関連で外してはならないものと考える。 (学院宗教総主事 横手征彦)
▽基督教独立学園
キリスト教の信仰は個人的(主体的)なものだが、それと共に公のものである。キリスト教教育という公の責任に対して、キリスト教の信仰という公の旗を立てることが大変に重要と思う。その意味でクリスチャン・コードは大切にしていかなければならないと考えている。 (校長 助川 暢)
▽国際基督教大学
キリスト教精神に基づく教育・学問を具体化するには、少なくとも教員構成員の大多数がキリスト者であるべきだと考える。キリスト教信仰が絶対的神の前に立つ人間としての相対的批判的知の営みと関連づけられるとき、キリスト教学校は閉鎖的一元的どころか、逆に多様で開放的でありつつ、同時にキリスト教が教育・学問の場で果たす役割についての理解を共有する組織体となりうると思う。但し、そのようなキリスト教学校の存続のためには、キリスト者教員候補者の育成のための長期的かつ具体的努力が最重要課題である。(宗教部長 永田竹司)
▽クラーク学園
理事長、学長、校長はキリスト教学校を運営するにあたり、クリスチャン・コードは最低限必要と思われる。(短期大学長 伊藤忠彦)
▽共愛社
115年の歴史を有する背景から理事長、学長、校長等の役職者はもとより理事等の資格として「キリスト者である」ことの条件は当然のことと考えられてきたが、キリスト者の絶対数が微少なことから現実的には不可能な状況である。最近学内に「キリスト教研究所」を開設し、この問題に取り組むこととしている。 (理事長 栗原昭正)
▽九州学院
キリスト教学校である限り、キリスト者であることが本来的には望ましい。しかし教職員として見た時、本人の意志とは別に、その仕事にふさわしい資質があるかどうかは別問題である。その点からどうしても「キリスト教」に理解のある教職員としての採用が増えていくことは仕方がないという結論となる。だから「キリスト教学校」としてはその「理解」をどこまで求めるかが一番大事な点であろう。 (院長 内村公春)
▽松山東雲学園
クリスチャンの人材がいないということで、クリスチャン・コードのあり方を考え直す時が来ていると思う。もしなくすとすれば、それに代わるポストなりシステム、ルールが不可欠だと思う。キリスト教主義を守るための。(宗教主事 高木総平)
▽明治学院
学校は教会と異なる領域に存在する組織であり、学校本来の役割を充分に果たすためには、非キリスト者の積極的な協力を得る必要があると考えられる。現に当学院では、クリスチャン・コードの一定程度の緩和を進めてきているが、「建学の精神」に照らしてむしろ好ましい結果が生じているように思われる。(学院長 久世 了)
▽宮城学院
クリスチャン・コードは、キリスト教学校の根幹にかかる重要事項と考えているが、現今のキリスト教界の状況からして、キリスト者の教職員、とりわけ大学教員を採用することが極めて困難になってきていることを憂いている。同盟の総力を結集した取り組みが必要。(学院長 深谷松男)
▽長崎学院
理事会は80%をキリスト者で構成している。本学院は、プロテスタント牧師によって設立されたこともあり、将来もまた、基本的にはキリスト教を中心とする学院で運営したいと考えている。(理事長 山本敏明)
▽名古屋学院
理事会の構成員12名のうち、キリスト者は理事長、学院長、牧会理事(3名)の五名のみであり、他の7名はノン・クリスチャンである。7名の大多数は本校出身であり、愛校心においては濃密なものがあり、その点については感謝している。しかし、キリスト教職員の採用等については関心が乏しく、その数も漸減傾向にあり、建学の精神を守るのもあやうい状況にあり、危機を抱いている。 (学院長 柿沼敬一)
▽名古屋学院大学
クリスチャン・コードを維持・強化することができるならばそれに越した事はない。本学は7年程前に学長のクリスチャン・コードがはずれ、現在、理事長もクリスチャンでないとの実態を招いている。そしてこれは学内にキリスト教主義教育の重要性・建学の精神の高揚を間接的に阻むことにつながってゆく(この重要性が分からない、気づかないことから)。しかし、キリスト者の教職員はこの現実を現実として受け取らなければならない。そしてその中で、キリスト者でない教職員も理解・賛同できる言葉―自主・自立し、強調と奉仕をも視野にいれた人間育成、環境の保全と共生の生き方など―でキリスト教主義の気風を培わねばならない。(宗教部長 葛井義憲)
▽日本聾話学校
クリスチャン・コードの目標は学校の運営や教学をキリスト教の信仰に基づいて行ってゆこうというところにあると思う。その執行の母体である理事会・評議員会・職員会にこの目標を貫徹できる実質が具わっていなければ、このコードを墨守する必要はない。しかし、現実には貫徹困難な課題が多々ある。また、このコードをリジッドに守ると必要な人材を揃えることが難しいというクリスチャンの層の薄さもその貫徹を困難にしている。双方の課題に答える妙案はないが、決定機関はコードを守り、執行機関には(ノンクリスチャンも入れる)若干の弾力性を残しつつ、所期の目標を達成できるよう配慮を続けることが肝要ではないか。(校長 川田 殖)
▽日本水上学校
本校(聖坂養護学校)は、知的障害児を対象とする養護学校で、奉仕的精神を必要とする教育である。できればキリスト者を求めているが、応募者は殆どない。教員の場合、規定そのものが不可能。役員は伝統的にこのように(質問4、5の回答)なっている。(理事長 柴田昌一)
▽沖縄キリスト教学院
建学の精神を堅持するためには、理事長、学長(クリスチャン・コード)、監事、学部長がクリスチャンであることが必要である。しかし、理事長の場合、建学の精神を理解し、それに従って学校運営のできる人物であればよい。教職員、事務職員の管理者は、クリスチャンであることが望ましいが、少なくともキリスト教についての理解やキリスト教の諸行事に協力的でなければならない。この点は、誓約書で押さえることができる。 (学長 神山繁實)
▽近江兄弟社学園
条項として決めておくことではなく、結果としてクリスチャンが責任ある地位、役職に選ばれていることが肝要であると考える。(中学校長 佐々木伸尚)
▽折尾女子学園
キリスト教学校として存在するためには、クリスチャン・コードは何らかのかたちで必要であると考える。(理事長 増田 仰)
▽大阪女学院
現状において必迫した課題はキリスト者の研究者と大学教員の養成である。そのための奨学金(大学院修学)基金を同盟に設置することなどの協議が望まれる。(院長 関根秀和)
▽大阪キリスト教学院
本学の理事長・学院長・学長は「寄付行為」で定められている限り、クリスチャン・コードをはずすことはない。現在教員に関しては担当科目の必要上、信者でない教員も採用しているが、教職員の採用に関して可能な限り、信者を採用すべく努力している。学内でのキリスト教主義教育の維持にはクリスチャンの教職員確保が欠かせない。(学長 柏木道子)
▽プール学院
クリスチャン・コードをたんなる人事規則と考えるべきではない。「洗礼を受け信仰告白をした教会信徒」であるかどうかにとどまらず、規則やコードを運用する原点にたって、求道姿勢を見究めた判断をする機能と能力が理事会に求められるべきである。(これは私見であって、本学院としての統一見解ではない。)(学院長 岩坂正雄)
▽三育学院
私どもの法人にはクリスチャン・コードはない。しかし、実際には、創立以来、理事、幹事、評議員、教職員とも全員がクリスチャンであることを大前提としてきたので、不文律のコードとしては存在していると言って良い。とはいえ、近年、短期大学の教職員の採用ではその大前提を一部崩さざるを得なくなっており、小学校でもクリスチャンの教員を揃えるのに苦労している。そのような状況なので、クリスチャン・コードを明文化しておく必要を徐々に感じつつある。どの程度のコードが妥当かについては、今後の検討になる。(学長 高橋義文)
▽聖望学園
今まで校長を選任(任期4年・再任あり)する場合、理事会は理事長を中心として、その都度方法を討議し決定してきたが、文章化して決定した方が良いのか、検討を始めようとしている。(理事長 神田秀夫)
▽清教学園
キリスト教主義学校の信仰的立場を守るためには、理事会の3分の2、その他理事長、学園長、校長はクリスチャン・コードを守るべきで、3分の1の未信者は学園運営の活性化のために活かされるべきものだと考える。(理事長 中山 昇)
▽西南学院
大学教員と事務職員のクリスチャン比率の低下に伴い、数年前、大学長と事務局長のクリスチャン・コードを外すべきであるとの意見が出され、理事会で検討したが、「建学の精神」の維持のためにも、色々障害はあるがはずさない結論に達した。今後も現在ある学校を代表する院長・学長・校長・園長・事務局長のクリスチャン・コードは残すべきであると考える。(事務局長 吉田茂生)
▽西南女学院
大学法人にあっては、学部長は学部の教育研究及び運営にとって最重要職であり、当然理事の構成員となるが、現行の規定ではクリスチャン条項のため学部長は理事になることが出来ず、学部長人事を進めていく上においてはその人材確保が難しく、キリスト者でなければ学部長(理事)になれないという規定では対応できなくなっている現状。このためバプテスト連盟の理事会で検討していただき、定期総会(2002.11.15)に諮り大学学部長にクリスチャン条項を外した経緯がある。(現在、寄付行為変更は文部科学省に申請中。)今後学生確保はますます難しく、社会に対応した経営基盤の安定も視野に入れると理事及び評議員の数は計画のたびに変動が予想される。その度にバプテスト連盟理事会及び総会に諮るのですぐに対処出来ない。(総務課長 橋田麻美)
▽聖ステパノ学園
クリスチャン・コードを置くことが望ましい。本学園小、中学校は、キリスト教の信仰に基づく人格形成を願いの中心におき、教職員児童生徒全員が参加し一日を礼拝から始めている。組織の中心にある責任者がキリスト教の信仰をしっかりと心に置かず毎日の祈りの中で、心からの声として、教職員、児童生徒と共に「救い主イエス・キリストの恵み、神の愛、聖霊の交わりが、わたしたちと共にありますように」と言える人になれるのかどうかが課題だと思う。(校長 小川正夫)
▽聖和大学
日本におけるキリスト者の趨勢の中で、キリスト者の中からのみ専門性の高い大学教職員を発掘するのは大変困難な状況にある。また国内のキリスト教系大学がそのような人材を奪い合う状況もある。高等教育の国際化の中で、種々の信仰を持つ教員が集まる可能性もあり、その場合はお互いの信仰が持つ寛容性が重要な指針になる。キリスト教もこの点において他の信仰の後塵を拝するものではない。ただ、キリスト教系大学(学校)に奉職する場合、キリスト教への基本的理解を求めるものである。本学の前記のようなクリスチャン・コードは、キリスト教系学校において、例えば他信仰を明確に持つ人が学長等に就任することは、本学の歴史と建学の精神を具現する道を閉ざすことになるからである。(学長 山村 慧)
▽清和学園
小さな学園の故、教職員のクリスチャン・コードを保つことができるかもしれないが、コードを崩したら当校の存続意義がなくなると確信している。私たちの学園が主の祝福に預かり、学園が立ちもし倒れもする根幹と理解している。(女子中高校宗教主任 中山 仰)
▽静岡英和女学院
法人の目的がキリスト教の精神に基づいて学校教育を行うことにある以上、現行の寄付行為に規定されているクリスチャン・コードを基本として維持し変更すべきでないと考えている。(理事長 辻 昭)
▽頌栄保育学院
少なくとも理事長はキリスト教主義学校の経営の責任者として、又、院長・学長・園長・校長は、教育の最高責任者であるので、積極的にキリスト教教育を担い推進する意味でも、キリスト者であることが条件になると考えている。(院長 酒井哲雄)
▽松蔭女子学院
近年、私学を取り巻く環境は大変厳しいものがあり、理事会ならびに学校の長の役割は一層重要になってきている。有能な人材(理事・学校の長)を得るためにクリスチャン・コードに縛られていると困難な点が多い。ただ、キリスト教を建学の精神としている以上、例えば、位置付けの仕方にもよるが、院長(園長)については、キリスト者という考え方もあるのではないかと思う。 (常務理事・法人事務局長 山田隆穂)
▽捜真学院
クリスチャン・コードは、理事・評議員・幹事などの役員に大枠としてかけられている。学内の現場管理者については、当然キリスト者という概念から明文化されていないが、それは長年実施され現在に至っている。しかし今後は規定に入れるべきと考える。(理事長 小玉敏子)
▽玉川聖学院
私立学校は若干の制約はあるものの、個性的な建学の精神を、教育を通して世に問う存在である。特にミッションスクールの場合、教職員についてまずキリスト者であることを求め、そうでない方についても積極的な理解と教育方針に従ってもらうことを採用の条件とすることは必要である。(事務長 坂上多津夫)
▽東洋英和女学院
本学院では、法人役員、院長、学長、中高小の部長、園長などにクリスチャン・コードがついており、極めて重要なことだと考える。キリスト教学校は、建学の精神を持ち、そのことを大切にするから、指導的責任を持つ人々が、信仰に生きる者であり、建学の精神を守ることに召命感を持ち、そのことを教職員、学生、生徒、父母に訴えることの出来る者であることは当然だと思う。この場合、キリスト者であることが特権としてではなく、責任と使命を負って仕える者として受けとめられることが必要。この混迷の時代に、キリスト教に基づく人間教育を行うことは深く重い課題と思う。 (院長 船本弘毅)
▽浦和ルーテル学院
広く人材を求めるためには、コードが妨げになっていると考えうるが、初等中等教育においては、教育の理念、精神の体現者の存在が不可欠であるので、クリスチャン・コードは要である。 (理事長 芝 亨)
▽山梨英和学院
理事にクリスチャン・コードは必要であるが、有能かつ良心的な人物を、クリスチャンでないという理由で排除することは良くない。キリスト教主義の根本を大切にしながら、弾力的にクリスチャン・コードが硬直しないように運用すべきである。(大学学長 木田献一)
クリスチャン・コードは必要であると考える。もちろん、クリスチャンであれば誰でもよいということではない。クリスチャン・コードを糸口として、建学の精神の基礎を考え続けることにより、キリスト教会とのつながりを確かなものにしつつ、宣教への協力体制を創り出していきたいと考える。(中高校長 岩間孝吉)
▽横浜英和学院
本法人に現在程度のクリスチャン・コードは必要である。とくに幼・小ならびに中等教育のキリスト教教育のために、中・高教員の少なくとも半数は受洗者を確保したい。(理事長 山崎康夫)
▽横浜共立学園
学校のグレードによっても見解が異なってくるが、キリスト教学校にとってクリスチャン・コードは厳密であればあるほどよく、これを緩和すれば、キリスト教主義は稀薄となり、ついには消滅する。この時代にこの認識を一層強化すべきである。(理事長 小林 宏)
▽横須賀学院
現在キリスト教学校でクリスチャン・コード問題は功罪半ばしていると思う。クリスチャン・コードがあるため有能な人材を採用し、登用できないとしたらどうするのかというキリスト教学校独特の問題である。キリスト教学校に就職してから受洗することが難しいといわれている。こうしたことが現実にあったら大変な問題である。学校としての活動力の遅滞はおおかた管理職の責任であるところから、有能な人材の登用の障碍がクリスチャン・コードにあるとしたら不幸なことである。対策はいろいろあるだろうから全キリスト教学校に問いかけ共通認識と対策を求めたい。(院長 津田一路)
キリスト教学校教育 2003年3月号4~5面