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新たな時代におけるキリスト教学校の使命と連帯-いのちの輝きと平和を求めて-

一般社団法人キリスト教学校教育同盟 Association of Christian Schools in Japan Since 1910

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キリスト教学校教育バックナンバー

関西地区新人教師研修会
「共に重荷を担うキリスト教大学」

石田 正博

 2002年度の関西地区新人教師研修会は十月十九日(土)・二十日(日)にかけて関西学院千刈セミナーハウスで開催された。主題は「共に重荷を担うキリスト教学校」。助言者は春名康範先生(神戸女学院中高部)、発題者は小林あい子先生(大阪女学院中高部)、参加者は四十八名であった。
セミナーハウスは山奥にあり、タクシーで向かった私たちは山道に揺られながら道を間違えていないかと少々不安に思っていたが、着いてみると自然の豊かな静かで良い場所であった。山の傾斜を利用した建物なので礼拝堂から個室までが迷路のようになっており、面白かった。

○第一セッション
 会議室で班別に分かれて席に着いた私たちは、まず画用紙に「自分の宝物」を書くよう指示された。久しぶりにクレヨンや色鉛筆を持ちながら、みんな絵を書く作業に没頭した。書いている最中はみんな無口だったので、このまま緊張した雰囲気のまま会は進んでゆくのだろうかと思っていたが、その後それを見せながらの自己紹介を行ううちに、どんどん場の雰囲気がほぐれていった。宝物にはイエスさまや自分の奥さん、子どもさんなど、多種多様であった。美術の先生が描かれた金魚の絵が出たときは歓声が上がった。

○第二セッション
 「今現在新人教師が抱えている問題」について、各自の思うところをカードに書きそれを分類して模造紙に貼る、と言ういわゆるKJ法を用いて分析を行った。皆、やはり抱えている悩みが多いようで、一人十枚のカードがすぐに埋まっていった。
その後小林先生が教師一年目の体験談をされた。授業で悩まれていたことや失敗談を隠すことなく語られて、非常に共感できた。小林先生は「一年目の教え子に迷惑をかけた」とおっしゃっていたが、その生徒達が最後の授業で書いた感想を読ませてもらうと、感謝や励ましの言葉が溢れていて、小林先生と生徒達との間に良い関係が築かれていたことを偲ばせていた。助言者の春名先生は、「自分達の年齢になってもまだ教え方で悩むことがある、教師というのはそういうものだ」とおっしゃり、なるほどと思った。

その後、「交わりのとき」が設けられ、気楽な雰囲気で歓談に花が咲いた。

○第三セッション
第二セッションで作った模造紙を使って各班に分かれて討論を行った。話は、生徒との関わり方、教師間の不公平感、学校運営に対する要望、など多岐に亘った。生徒指導は生徒との信頼関係があって初めて成り立つ、担任は一学期中にクラスのいろんな問題とぶつかっておく、など。いろいろアドバイスを頂き、非常に参考になった。その後、全体で集まって各班で出た意見をまとめて発表しあった。やはり他の班でも同様のことが話し合われていた。全体的に新人の先生は皆一年目のプレッシャーとストレスを強く感じているようであった。

 その後第四セッションでは皆が輪になって感想を述べあった。皆現場で本当に忙しい日々を送る中、あまり向き合うことができなかった自分自身の抱えている悩みを、発表し話し合っていくことで、良い方向に消化できているようであった。

 私自身も同年代の先生方からいろんな刺激を受け、明日からがんばろうという前向きな気持ちになることができた。担任しているクラスにも、遅まきではあるが小林先生に教えていただいた「先手必勝」を実行していこうと思った。

〈近江兄弟社学園高等学校教諭〉

キリスト教学校教育 2002年12月号3面